テレ東『あちこちオードリー』の感想
テレ東の佐久間プロデューサーとオードリーがタッグを組んだ本音トーク番組『あちこちオードリー』のレギュラー化が10月から決定し、その前に二度の特番が放送。
一度目のゲストはおぎやはぎ小木さんや、ホラン千秋さん、長嶋一茂さん、三四郎小宮さんなどだったのですが、二度目のゲストは、若槻千夏さんと橋本マナミさん、また平成ノブシコブシの二人とアンガールズの田中さんと、オードリーと同世代のメンバーでした。
この『あちこちオードリー』は、オードリーの二人が常連客と本音を交えながらじっくりトークをする、という番組で、普段ラジオ『オードリーのオールナイトニッポン』を聴いているリスナーからすると、ラジオでゲストを呼んだときのようなオードリーとゲストの雰囲気が心地よい番組です。
土曜日の朝からの放送ですが、結構本音を語ってくれるので、ゆったりとしたトークでもボリュームはあり、とても面白いと思います。
たとえば、若槻千夏さんは、独自のタレント名鑑を作っていたり、橋本マナミさんは若林さんの情報によれば、自己啓発本をたくさん読み漁り赤い線を引いたり、大声で歌いながら自転車で走っているのを目撃したこともあったと言い、橋本マナミさん曰く、自己啓発本はもう読んでいないそうですが、今でも歌は歌いながら自転車に乗っているとのこと。
また、平成ノブシコブシの徳井さん曰く、吉村さんはほんとうは緻密で伊坂幸太郎のような伏線回収型のネタがしたいのに、自分に実力が備わっていないことがコンプレックスで、たぶん脇鳴らしというのも内心では泣きながらやっていると思う、と発言。吉村さんも、なにが面白いのか分からないし、周りの芸人がしっかりネタを披露しているのに、自分が脇を鳴らして楽屋に戻るのが正直恥ずかしいと本音を吐露。
オードリーの春日さんが結婚し、落ち着きが出てきた一方で、若林さんの斜めに見る哀愁が、オードリー二人にとって魅力的なコントラストに映り、この同世代の芸人同士の会話でも、50代になる頃にはこの世代の芸人もまた何人か消えているんだろうな、と語り合っていたのも、休日の朝から暗いという声もあるかもしれませんが、個人的には、中年の年を取っていく過程の絶妙な悲しみが詰まっていて好きでした。
若林さんは、『激レアさん』で少数派というか、少し世界から外れたひとと会っているので、こちらの『あちこちオードリー』では中年、中堅、と呼ばれるような人たちとの哀愁漂うトーク番組になったらいいなと思います。
ちなみに、『あちこちオードリー』のレギュラー化が決まったことを、プロデューサーの佐久間さんのラジオ番組に若林さんがゲスト出演した際、佐久間さんがサプライズで告げたとき、
若林:あれ、レギュラーになるんですか!? うわー、生き様見せなきゃなー! 嬉しい!
佐久間:アハハハハ(笑)
若林:やったー! 冠番組だよ、生き様生き様!!(笑)
佐久間:冠番組のトーク番組だよ。
若林:本当ですか? あー嬉しい……飲みに行きましょう!
佐久間:若林君、今日はこれを伝えようと思っていたんだよ。
若林:そうなの!? 嬉しいなー、久しぶりに春日に電話しようかな。
と、とても喜んでいました。