デコポンは英語で「相撲…」
最近、アメリカで人気の果物として、「デコポン」が「スモウ・シトラス」という呼び方で注目されている、という話をラジオで聴き、「ほんとに?」と思って調べてみると、確かに、CNNで記事になっていました。
ニューヨーク(CNN Business) ジェリー・キャラハン氏が初めて「スモウ・シトラス」を試食したのは9年ほど前のこと。「これはすごいことになる」と直感した。
スーパーマーケットチェーンのアルバートソンズで農産品・生花担当副社長を務めるキャラハン氏は、青果のトレンドを見極める立場にあり、さまざまな果物を食べたことがあった。しかしスモウ・シトラスは独特だったと同氏は言う。
デコポンとは、日本では不知火とも呼ばれ(デコポンは品種名ではなく商標)、1970年代に清見とポンカンを交配させ誕生します。
もともと発祥は、長崎県の南島原市ですが、島原湾を挟んだ熊本の不知火町(現在の宇城市)で新たな柑橘類を模索。試しに育ててみると、酸味が強かったものの、しばらく放置したら、甘みが強くなっていることに気づき、商品化に向かったそうです。
品種名としては「不知火」と言い、不知火のうち、糖度13度以上のものを選択し、商品名として「デコポン」と名付けます。
このデコポンという名前は、「デコッ」とした歪つな見た目に由来します。
見た目が悪いということを、逆にチャームポイントとして売り出そうということで命名され、今では日本でも人気の柑橘系の一種です。
そのデコポンが、アメリカでは「スモウ・シトラス」と呼ばれ、注目を集めているとのこと。
スモウ、というのは、もちろん、あの「相撲」です。
デコポンの形が、力士のまげのように見えることに由来し、「スモウシトラス」と名付けられたそうです。
不知火やデコポンの名称は米国の消費者にはピンとこないと同社は考えた。「スモウ・シトラスの名称は、この果物の外観に由来する」とACブランズのブランド管理責任者サニア・ガル氏は説明する。従来の柑橘類に比べると巨大なことや、「頭の出っ張りが土俵上の力士のように見える」という理由からこの名が付いたと同氏は話す。
一方で、アメリカのカリフォルニアでは、「スモウ・マンダリン」として栽培されているという話もあります。
先日ウェグマンズという食料品店へ行ってみると、店頭が賑やかなオレンジ色のボックスでぎっしりと埋め尽くされていました。以前も他の店舗で見かけたことがあったのですが、熊本産の「シラヌヒ」(通称「デコポン」)が売られていたのです。
ところが、びっくり仰天!「アメリカ(USA)産」のデコポンのアメリカ名は「SUMO Mandarins(スモウ マンダリン)」。なるほど、お相撲さんを思わせるような風貌に思わず笑みがこぼれます。
スモウ・シトラスと、スモウ・マンダリンは、どちらが正しい英語訳なのでしょうか。
どうやら、デコポンと同様、これも商標で、正式には「デコポン・シトラス・マンダリン」と言うそうです。
この商品名が、そのまま英語表現になっているのでしょう。
ネットの英語辞典でも、dekoponというそのままの呼称以外に、sumo mandarinとsumo citrusの両方とも記載されています。