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オードリー若林の失恋の乗り越え方

オードリー若林の失恋の乗り越え方

失恋の苦しさは、実際に経験した人にしか分からず、もっと言えば、今まさに失恋の渦中にいないと分からないという面もあるでしょう。

失恋によって、自分の存在価値が著しく低下し、また誰かのもとに去っていく恋人のことを想像して夜も寝れない日々が続くかもしれません。

失恋で「死にたい」となったら大袈裟と笑う人もいるかもしれませんが、本当にその人しか存在しない、と思うくらいに好きで、思い出を重ね、未来を描いていた相手なら、「もう生きていてもしょうがない」というくらいに深く落ち込んだとしても、不思議ではありません。

失恋の乗り越え方は、人それぞれでしょうが、お笑い芸人のオードリーの若林さんは、以前、自身の体験をもとに考える失恋の乗り越え方についてエッセイで書いています。

もともとその失恋に関するエッセイを書くきっかけとなったのは、ラジオで出待ちをしていた男の子の質問。「彼女に振られて何ヶ月も立ち直れないんですけど、どうしたらいいですか」

若林さんは、その瞬間は、急な質問で頭が回らずに、思わず「新しい恋をするしかないんじゃないの?」と答えたものの、改めて、文章を通して、自身が20代のときに6年も引きずったという失恋経験をもとに、乗り越え方に関する考え方を書いていました。

以前ラジオで話していたこととして、エッセイで書いた6年引きずった女性が、ラジオで話していた人かどうかは分かりませんが、当時は全く売れていないときであり、ファンも事務所も認めてくれないなかで彼女だけが自分を肯定してくれる存在だからこそ、依存してしまっていたようで、振られたショックで若林さんは過呼吸になって倒れたこともあったそうです。

相談されるのが嫌だとエッセイには書いてありましたが、自分が失恋で悩んだ経験があったからこそ、もう一度丁寧に文章で回答しようと考えたのかもしれません。

そのときは、彼女を忘れようと色々な方法を試し、たとえば、彼女の嫌いな部分をノートに書き出してみたようです。

しかし、書いても書いても、思い出す彼女の「嫌いな部分」がそれほど悪いことのようには思えず、効果はほとんどなし。

また、『恋する惑星』という映画で、失恋した男が公園でひたすら走るというシーンに影響を受け、若林さんも走ってみたものの、走るほどにアドレナリンが高まり、このまま彼女のもとに走っていきたくなるなど逆効果だったようです。

さらに、その行き場のない感情からか、上半身裸になって公園の生垣に走って突っ込んで傷だらけになり、この行動を、若林さん自身、一種の「自傷行為」だったと表現しています。

それにしても、いくら失恋の痛みとは言っても、6年も引きずるというのは、相当の深い傷だったのでしょう。

なんとしても失恋を乗り越えるために色々と試行錯誤したなかで、意外と効果的だったことの一つは、電車に乗っている美人を見かけたときで、「こんなに綺麗な人も世の中にたくさんいるんだから絶望することもない」となったようです。

確かに、失恋すると、「世界にはこの人しかいない」というくらいに重たく巨大な存在になっているので、とにかくこの巨大な存在を薄める必要があり、その一環として、世の中には本当にたくさんの人がいる、まだまだ無数の出会いがあるんだよ、という発想に持っていくのは、ありきたりかもしれませんが、結構効果的なのだろうと思います。

それから、若林さんがもう一つ、失恋の乗り越え方としておすすめしていた方法が、「シャットアウト」です。

失恋で一番辛いことは、自信がない人は特に、自分には価値がないと落ち込み、自分自身を責めるようになることであり、だからこそ、その「自分を責める」という思考をひとまずシャットアウトする(閉め出す)ことが肝心だ、というわけです。

シャットアウトする方法は、シンプルに何かに「没頭」する、ということです。

若林さんは、エッセイで、「シャットアウト」の効用について次のように書いています。

シャットアウトに効果を発揮するのは没頭だ。それは、仕事かもしれないし、趣味かもしれない、友達と会うことかもしれないし、アイドルを応援することかもしれない。無料のゲームアプリかもしれないし、筋トレかもしれないし、新しい恋かもしれない。とにかく自分が「楽しい」と思えることで埋めまくるのだ。なるべく金がかからないものがいい(金がかかるものは、そこに付け込んでいるから)。それを何ヶ月も(何年も)続けて、いつのまにやら「あれ? そういえばあんまり考えなくなったな」という時が来ればしめたものだ。

出典 : 若林正恭『ナナメの夕暮れ』

放っておくとどんどんと自分の駄目な面と向き合わざるを得なくなり、落ち込んでいくからこそ、その空白を、自分が「楽しい」と思うことに没頭することで埋める。

このとき没頭することは、仕事でも、趣味でも、友達と会うでも、アイドルの応援でも、無料のゲームでも、筋トレでも、新しい恋でもよく、その場合は、「なるべくお金がかからないほうがいい、付け込んでいるから」というのが若林さんの優しさでもあり、考え方が表れている面でもあるのでしょう。

こうして没頭を数ヶ月、数年と続けていると、気づいたときには、あまり考えなくなっていたな、という時が訪れる。

これは自分自身の20代の頃の失恋経験を振り返っても、確かにそうだったな、ということが言えるので、失恋の乗り越え方として、この「没頭する」というのは、僕もおすすめしたい方法です。

以上、オードリーの若林さんの考える失恋の乗り越え方でした。