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雨上がり宮迫「闇営業」問題でホトちゃんは、

雨上がり宮迫「闇営業」問題でホトちゃんは、

お笑いコンビ雨上がり決死隊の宮迫さんら吉本所属の芸人が、「闇営業」で反社会集団のパーティーに出席した問題で、ナイナイの岡村隆史さんが自身のラジオ番組『岡村隆史のオールナイトニッポン』で胸中を語っています。

岡村さんは、まず芸人の世界における「闇営業」について、「闇営業というのは事務所を通さない“直の営業”のことで、言葉には「闇」とつくが、これは「闇社会」への営業ということではなく、この“直の営業”は吉本もある程度放任してきた」という芸人社会の暗黙の了解を説明します。

ここには、そもそも吉本興業が、芸人を抱え込んでいる数が莫大な大所帯で、特に若手芸人に対し、会社で営業を行なって仕事を取ってくる、ということまで手が回らず、だからと言って事務所が最低限の生活を保障してくれるわけでもないので、食べられない、生活できないという貧しい若手芸人が、知り合いの紹介などで「闇営業(直の営業)」を行っている、という事情が絡んでいます。

もちろん、アルバイトという道もありますが、アルバイトで一日一万円を稼ぐよりも、先輩の紹介などで社長のパーティーに出席して芸を披露し、二万円をもらう、という方がよい、という考え方もあります。

吉本としても、こうしてそれぞれの芸人たちが、自分で仕事を取ってくる(芸人自身が営業マンにもなる)ということはメリットにもなるため、「闇営業」をある程度許容していた側面もあるようです。

普通の企業なら、副業禁止の規定に反すれば解雇の可能性は高いかもしれません。

しかし、「普通の企業」は、ブラック企業などの問題はあっても最低限は給料を支払い、日々の生活ぶんは少なくとも保証してくれます。

ところが、吉本興業に「所属する」というのは、雇用契約書もありませんし、仮に若手芸人の隅々までしっかりと最低限の生活の保障をしたり、まんべんなく活躍できるようにマネージャーを増員し、営業努力をしようとすれば、吉本興業としても莫大なコストをかけるか、所属する芸人の数を相応に減らす必要が出てきます。

吉本が、今の吉本のままのスタイルで今の吉本のままの規模を維持しようと思えば、芸人が個人で「闇営業」をすることは、やはり許容せざるをえないのではないでしょうか。

ナイナイの岡村さんも、「闇営業」を十把一絡げにアウトとすれば、食えない芸人たちがたくさん出てくる、ということを危惧しています。

もちろん、この宮迫さんのケースのような反社会的組織のパーティーは問題だと岡村さんも批判しています。そして、「闇営業」の問題点も、相手が反社会的組織かどうかのチェックが、事務所が間に入らないことで見抜きづらくなる、という点にあります。

知り合いの社長さんからの紹介で、ちょっと友人の誕生会に出てくれ、とお願いされ、引き受けて言ってみたら暴力団風の人たちで、恐怖心から断れずに、必死に芸をして帰る以外にない、という若手の芸人さんもいるかもしれません。お金を受け取らないと、「受け取れないのか?」と詰められるでしょうし、写真も撮られているのであとで脅されるかもしれません。

こういうリスクを孕みながら、それでも芸人さんが「闇営業」を行なってしまうのは、個人の危機管理だけでなく、先ほども触れたような雇用や生活上の問題も大きく関連しているでしょう。

岡村さんらナイナイと雨上がり決死隊は、もともと「天然素材」の若手時代からの古い付き合いで、ただ、宮迫さんは有名になるにつれ、徐々に変わっていった面もあった、と語っています。

そして、なによりもホトちゃんがかわいそうだ、と岡村さんは嘆きます。

岡村さんは、騒動発覚後、宮迫さんにはどんな言葉をかけていいか分からず、連絡ができなかったものの、相方の蛍原さんとは話をしたそうです。

「これはもう…ホトちゃんやなーっていう風に思うんですけど。ホトちゃんはそんなん言わんでええねんって言うかも分かんないけど、ホトちゃんは“宮迫のおかげで俺は今があるから”って言うねん、あの人普通に。“俺はどうなってもしゃあないねん”って、あの人はそうやって言わはんねん」

「ホトちゃんの気持ちとしては“宮迫がおったから今こうやってやらしてもうてんねん。だから俺はどうなってもかまへんねん”ってホトちゃんが言うわけですよ」

「だからそういう思いも宮迫さんも分かった上で反省してもらえたらなっていう風には思ってますけども」

出典 :『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』

とても複雑な問題ですが、岡村さんも、方々に気遣って配慮しながらも、この「闇営業」問題について真摯に語ってくれていました。